もじもじ大作戦

映画やTVアニメの構成を分析したり、気づいたことを毎日書きます。

アニメ『恋愛ラボ』の逆ハコをしてみて気がついたこと

まのけいです。

今日は構成力がつくと噂の「逆バコ」と呼ばれている作業をやってみたので、感想を書きたいと思います。

ハコ書きと逆バコ

プロットが完成した後、各シーンの並びと大まかな出来事を書き出す作業を「ハコ書き」と言うらしいです。*1 今回やったのは、すでに完成した映像作品をハコ書きに戻す作業、通称「逆バコ」です。いろんな先生の本を読んでも、みんなこの「逆バコ」をして力を付けたそうです。これはやってみるしかない。

気がついたこと

結論から言うと、もしかして日常コメディ4コマもので逆バコしても、意味が薄いのかもしれないと思いました。 流れは把握できました。キャラの登場シーンも抑えました。あとどうすれば……?

面白いと感じた理由が見つかったか、と問われると微妙なところです。30分の中で恋愛研究を4つもやってるので、かなり密度が濃いなという事がわかったぐらいです。ほとんど生徒会室内の漫才で、構成というよりどちらかと言うと動作や演技で見せているのかぁと思いました。脚本まで落とし込んでみたらもっと発見があるかもしれません。

まとめ

自分なりの最終課題として、話の内容を1文にまとめてみました。

お嬢様学園に通うボーイッシュな少女リコが、大人し過ぎて敬遠していたマキの恋愛研究に巻き込まれる中で、彼女も自分と同じ普通の乙女だと知り、名前で呼び合うほど仲良くなる話。

次回

次回はプリティーリズム・オーロラドリーム1話の逆バコします。

アニメ『恋愛ラボ』の構成を分析してみる

まのけいです。

今回も私の好きな『恋愛ラボ』についてです。

↓前回、原作1巻を読んで、どんな構成でアニメ化したかを予想してみました。 zanon.hatenablog.com

今回はその答え合わせです。アニメ(全13話)がどんな構成になっているか、考えてみたいと思います。

各話と原作の対応

アニメで原作何話を消化していたか、を書き出してみます。

  • 第一話「出会ってしまった二人」: #1 → #2 → #4 → #5 → #3 + #7(オチのみ)
  • 第二話「恥ずかしがり屋とクールと変態?」: #7(スズ視点) + #8 + #9 → #10 → #11 + #12 → #13
  • 第三話「宣戦布告のサヨとエノ」: #14 → #15 → #16 → #17

1巻の内容でアニメ三話分でした。前回、アニメ一話あたり原作6話消化するのが目安、と予想しましたが、本当に5~6話消化してました。第三話は4話分ですが、#16が9Pあるのと、台詞やモノローグが多いので、多少の行間を埋めるだけで30分になってました。

素人の予想は外れるもの...。今さら気がついたんですが、三幕構成的に考えると、シリーズ全体の4分の1である第三話までにメインの5人を生徒会に入れるのは、至極当たり前でした...。(まるで成長していない..........)

気がついた点

第一話

冒頭にアニメオリジナル展開が入ってました。これがすごくよかったです(語彙力不足)。最初のシーンで『恋愛ラボ』の基本設定、舞台がお嬢様学園であること、主人公が学園で有名な”ワイルドの君”であること、そして新入生をかばうカッコイイ女子だ、という事をキレイに表現していました。『SAVE THE CATの法則』の最初の方に書いてあった事なんですが、主人公(今回はリコ)がいい人間である、というのを早い段階で描写することで視聴者が感情移入できる、というのを実践してのかなぁと思いました。これ以降、リコはマキに嘘をついたりしますが、それを悪いと自覚している描写もありますし、何より第一印象が「いい人」なので、あまり嫌悪感を持たずに視聴できます。

第一話は名前で呼ぶようになって終わる、という読みは半分当たっていました。が、最後にスズに会長の正体がバレてしまう、という展開が足されていました。さらに、周囲のエピソードからやや浮き気味だった#3:うなじを#7にまとめたことで、きれいにオチた感じがします。#6は完全にカットされてました。

第二話

冒頭は前回のうなじの件をスズ視点から見た様子になってます。原作ではハンカチ落としを見られてバレていたので、そこはアニメオリジナルの展開になってます。それ以外はほとんど原作にあるエピソードを丁寧に拾っているので、原作の7話分近くを消化しています。#8と#9はエノとスズの絡みという点で内容が似ているので、#9にあったエノの説明を#8にくっつけても違和感がありません。

第二話はスズ登場回という予想をしていましたが、実際にはスズ登場+エノ、サヨ登場回でした。外れました。サヨに立ち聞きされているところがAパートの終わりになっていたので、ちょうど予想した第二話と第三話を足すと本物の第二話になる、という感じですね。

第三話

原作が4話分しかないのに、引き伸ばし感がありませんでした。特にアニメオリジナル展開が多かった訳でもありませんでした。このあたりの勘は、実際にシナリオ化した経験を積まないとわからない事なのかもしれません。

まとめ

  • やっぱりマンガ35P程度で30分アニメになる模様。
  • 原作付きアニメの第1話は重要。アニメオリジナルでうまく整理したい。
  • きちんと台詞量や展開量を把握して予想する

予告

次回はアニメ『恋愛ラボ』の逆ハコします。

『恋愛ラボ』1巻を読んで今更アニメの構成を予想してみる

まのけいです。

今回は私の好きなアニメ『恋愛ラボ』の構成を分析していきたいと思います。 各話の細かい構成は次に回すとして、今回は原作1巻をどうアニメにしたか、を考えてみたいと思います。

今日は、原作を読んで、こんな感じでアニメ化したかなぁという予想を立ててみます。 以前、アニメを視聴したんですが、さすがに何話が何の話だったとかまでは覚えてません。なので勉強になるはずです。

※注意※ 『恋愛ラボ』アニメ1話~4話、および原作1巻のネタバレを含みます。

アニメ『恋愛ラボ』について

はじめに、『恋愛ラボ』についての基本的な情報を列挙しておきます。ソースはwikipedia。(敬称略)

メンバーが『みなみけ』『ゆるゆり』などと共通している事がわかります。「おっ」と思う日常系コメディはだいたい太田監督(とそのチーム)だったりします。 最近だと『干物妹! うまるちゃん』『ガヴリールドロップアウト』『うちのメイドがウザすぎる』が全部そうです。

原作の内容は?

原作1巻は1話6Pの全17話です。各話の主な出来事を列挙してみます。

  • #1: 出会い、パンを咥えてぶつかる、リコ、会長補佐になる
  • #2: 手つなぎ、生徒会に勧誘、明日来た時に言うよ
  • #3: うなじ
  • #4: 生徒会メンバーの行方、ドジっ子
  • #5: ハンカチ、互いに名前で呼ぶようになる
  • #6: ハンカチを外で実践
  • #7: ドジっ子、スズに研究がバレる
  • #8: スズを連れ戻すリコ、スズ加入
  • #9: ドジ師匠
  • #10: お姫様抱っこ、サヨが盗み聞き
  • #11: サヨの嫌がらせ、エノ登場
  • #12: エノの説明、サヨが本気を出す
  • #13: サヨ生徒会室に侵入, 宣戦布告
  • #14: サヨを警戒、ランジェリー、エノが恋愛研究を知る
  • #15: マキ倒れる。サヨに戻るように頼むリコ。
  • #16: エノを推すサヨ。反論するリコ。工作を辞めるエノ
  • #17: 委員会、リコの演説、エノとサヨが加入

巷では、ストーリーマンガの2話分=30分アニメ、だと言われています。ジャンプマンガは17~19P、サンデーが20Pなので、大体40P前後がアニメ1話分だと考えられます。 『恋愛ラボ』の場合一話6Pですから、アニメ1話で原作5~6話程度を消化する計算になります。
よって、1巻の内容でアニメ3話, 4話分いけそう、と考えられます。

オチから考えてみる

30分アニメとしてきちんと成立させるために、オチを用意しなくてはいけません。 各話のオチになりそうな、美味しそうなポイントをピックアップしてみます。

  • #1 リコ、会長補佐になる
  • #5 マキとリコ、互いに名前で呼ぶようになる
  • #7 スズに研究がバレる
  • #8 スズ加入
  • #10 サヨの盗み聞き
  • #13 サヨ宣戦布告
  • #14 エノに研究がバレる
  • #17 エノとサヨが加入

全部を採用して、その間をオリジナルで埋めるという手もあります。が、4話分できれば十分な原作から6話分も生成するのはきついので、この中から絞っていく必要がありそうです。
まず、絶対オチになるのは、「エノとサヨ加入」です。マンガ1巻もそこで終わっているので、きれいに畳めそうです。とりあえずこれを第四話のオチに置いてみます。 次に第一話を考えてみます。第一話はリコとマキが出会い、物語が始まる回ですから、できればリコとマキの関係でまとめたいです。なので、第一話に「リコ、会長補佐になる」から「互いに名前で呼ぶようになる」までを入れてみます。 ここまでの結果は以下のようになります。

  • 第一話: #1 ~ #5
  • 第二話: ?
  • 第三話: ?
  • 第四話: ? ~ #17

第四話のラストでエノとサヨが加入することから逆算して、第四話をどこから始めるか考えてみます。第四話はマキとエノの確執をメインにしたいので、対立構造が明確になった所から始めたいです。すると「#13 サヨ宣戦布告」あたりを三話の終わりに持ってくるのが良さそうです。なので第四話は#14~#17までになります。ただ、4話分しかないので、アニオリ展開を足すか、他のエピソードを移植する必要がありそうです。

  • 第一話: #1 ~ #5
  • 第二話: ?
  • 第三話: ? ~ #13
  • 第四話: #14 ~ #17

第二話ですが、#7でスズが登場するので、スズを絡めたエピソードで固める、という戦略を取りたいと思います。スズはドジっ子なので、#4を第二話に持ってきて、代わりに#6を第一話にします。そして、リコ、マキ、スズの三人だけが登場するのは#10までなので、ここまでを第二話にしてみます。

終結果は以下のようになります。

  • 第一話: #1 ~ #3 + #5 + #6 
  • 第二話: #4 + #7 ~ #10
  • 第三話: #11 ~ #13
  • 第四話: #14 ~ #17

第三話が原作3話分しかありません。エノとサヨのエピソードで追加できそうなものを探すか、もしくはオリジナルで嫌がらせシーンを増やすかで対応する必要がありそうです。

あとがき

明日は答え合わせします。